医療における栄養療法と食事療法の違いとは

医療の現場では栄養療法、食事療法という言葉が使われることがありますが、この2つには大きな違いがあります。
まず食事療法とは食餌療法、medical dietとも呼ばれ、普段何気なく摂取している食事でもバランスや成分、摂取量を調節する事で健康管理を図ったり、病気の療養を行うことを指しています。
栄養療法は栄養不良の改善を第一に、病気の合併症予防や治療を行います。また、病後の身体状態や生活の質を向上することを目的として用いられることもあります。食事療法は、疾患を持つ人はもちろんですが本来、健康な人であっても日ごろから考えないといけない内容に対し、栄養療法は病後の身体状態をより早く改善させ回復を促し、できるだけ早く元の身体状態に近づけることを目的とします。
さらに食事療法は基本的に一般的な食事の内容を調節しますが、栄養療法では栄養剤やサプリメント、輸液製剤を使用するケースもあります。これらの栄養剤等を使用するといっても、薬による治療とは違い人体への負担がなく、人に本来備わっている回復能力を活発にするという、根本的治療であると言われています。
疾患を持つ患者や術後患者へ用いるケースが多く、患者の健康状態に合わせて適切な方法で栄養を補っています。栄養状態をよくする事で術後の回復を促し、退院までに日数を短くすることもあります。
回復までに時間がかかると身体負担やダメージも大きくなり、より退院までに日数が必要となる為、医療の現場において術後や疾患治療での栄養療法はとても大事な内容です。